低糖質(ローカーボ)ダイエットの仕組み
低糖質ダイエットの仕組み
低糖質ダイエットは、エネルギーである糖質の摂取を抑えることで、エネルギーの枯渇状態を起こさせ、カラダに備わっている調整機能を利用して、体脂肪などの別のエネルギーからダイエットを狙う方法です。
まずはメリットとデメリットをざっと紹介します。
メリット
① 体重の減少が早い
② おなか一杯食べられる
③ 頭がさえる
④ 食後の眠気などがなくなる
⑤ 糖尿病改善に良いとされる
⑥ 美容に良い
デメリット
① 頭がボーとする
② 2ヶ月が限度
③ 脳梗塞、心筋梗塞、高脂血症など
④ 食費がかかる
⑤ 体臭、口臭の悪化
⑥ 筋肉量の減少
だいたいこのように抜粋してみました。
やり方次第では、健康にもなれますし、間違えれば死につながる恐ろしい減量法でもあります。
それではメリットから細かく見ていきましょう。
① 体重の減少が早い
エネルギーの燃焼される順序というのは、糖質→脂質→タンパク質の順番です。
糖質を抜いてしまえば、2番手である脂質が優先して燃焼されていきます。
その働きを利用して、脂質(体脂肪)を燃焼していきます。
糖質というのは、エネルギーになるか、余るほどとってしまえば脂肪として蓄えられていくだけです。
なので、低糖質ダイエットで糖質は摂る必要がないとしています。
② おなか一杯食べられる
低糖質ダイエットというのは、糖質を摂らない分、血糖値の急昇降が起きません。
血糖値の急昇降が起きないということは、体脂肪が溜まりにくくなります。
基本的に血糖値がグッと上がり、インスリンが血糖値を下げるために分泌されます。
そうして血糖値がグッと下がるのですが、この時に栄養の合成作用が強く働き脂肪として蓄えられていく仕組みです。
低糖質は、このような仕組みが働きにくいことからも、極端なカロリー制限がありません。
そのうえ、間食もあわせて5食ほど摂るのが理想なので、おなかが減りにくく、おなか一杯食べられます。
③ 頭がさえる
脳の栄養はかつてブドウ糖のみとされてきました。
それが、ケトン体です。
ケトン体は肝臓内の糖質が減り続け20%に近付くにつれて、体脂肪などの脂質を化学変化させて、分泌量が増えていきます。
ケトン体は、しっかりと分泌できていれば、原料が脂質であるためエネルギーとしてとても有効活用できます。
なぜなら、糖質は1g=4kcalのエネルギー量に対し、脂質は1g=9kcalもエネルギーとしてkcalというパワーを持っているからです。
④ 食後の眠気などがなくなる
普通のお食事をしていて、食後の急な眠気などを感じたことはないでしょうか。
これは、グルコーススパイク(シュガークラッシュ)というものの症状である場合があります。
糖質を摂ると血糖値が急上昇します。
すると、血糖値を下げようと必ず必要以上にインスリンは分泌されます。
そして血糖値は急降下していきます。
この急降下の最中にグルコーススパイクの症状が起きることがあり、眠気、倦怠感、頭痛、再度の空腹、甘味欲求などが起きます。
そして血糖値の急上昇、急降下が大きければ大きいほど、脂肪の合成も高まる可能性が大きくなっていきます。
正しい低糖質の食事をしていると、血糖値の急昇降がなくなるため、このような現象が片っ端からなくなっていきます。
また、低糖質生活に慣れたうえで、糖質を急に摂ってみたりすると、グルコーススパイクの症状を敏感に感じ取れることが多いようです。
⑤ 糖尿病改善に良いとされる
元々、低糖質食事法というのは、糖尿病改善の為のプログラムであったのが元です。
数十万人というかなりの大人数の研究もされていて、権威の高い研究結果でもあり、調べればざくざくと研究結果は出てきます。
野菜食と低脂質食と低糖質食での研究では、ダントツで低糖質食が体重減少し、血中状態も良いものでした。
この研究では糖質の摂取量は1日に120gも摂取可としていて、カロリー制限は無しとしていました。
それでも良い結果が出ているので、運動と組み合わせれば、結果が出るのは間違いないですね。
⑥ 美容に良い
糖質を摂ると、老化物質AGEが溜まっていきます。
AGEは強い毒性を持つ物質で、老化を進める原因物質とされています。
これが、シミ、シワ、認知症、蓄積する場所によっては、心筋梗塞、脳梗塞、骨粗鬆症、白内障などの一因になる可能性があります。
出来る限りAGEを溜め込まない生活、減らす生活が大切です。
低糖質生活を送ることで、このようなリスクから逃れ、綺麗なカラダでいましょう。
ここまでがざっくりとメリットの部分です。
メリットは一方向から見ればメリットとも言えます。
私はあくまでも両立した目で見たいと考えていますので、絶対とは言いません。
それではデメリットも見てみましょう。
① 頭がボーとする
低糖質生活をすると頭がボーっとすることがあります。
原因として考えられるのは、
糖質を抜いた分のカロリーがしっかりと摂れていない。
ケトン体を有効活用できていない。
などが考えられます。
またケトン体を有効に使えていたとしても、ケトン体は消費カロリーのうち多くても70%程と言われています。
残りの足りていない部分は、何かを多めにとるか、糖質を摂るなど対応しないと、代謝がグンと落ちて痩せどまりの原因です。
② 2ヶ月が限度
低糖質の減量法というのは、ホメオスタシスの効果を除いても2ヶ月がおおよその限度です。
間違ったやり方をすると2ヶ月以上は危険ですし、低糖質食事法を利用している糖尿病医学界の研究でも2ヶ月以上からは糖質の摂取量を増やしたやり方を採用していたりします。
またボディビルで世界チャンピオンになったことのある日本人の鈴木雅さんは、ケトジェニック法(低糖質減量法)をやる意味が分からないとはっきり言っています。
それは自身の経験に基づいて語られていますし、私自身体感したこともあり、クライアントさんでも同じことが言えます。
③ 脳梗塞、心筋梗塞、高脂血症など
間違った低糖質食事法の落とし穴がここにあります。
低糖質食事法はカロリー制限がほとんどないとされています(確かに巨漢の方にはある程度効果はある)。
が、このせいで、飽和脂肪酸をたくさん摂りすぎて、健康を害する可能性があるのです。
飽和脂肪酸の主な食材は、陸上の生き物(牛、豚、卵、鶏など)の肉です。
陸上の生き物の肉には、かつて悪玉コレステロールと言われたLDLコレステロールが比率的に多く含まれます。
現代では多くてもダメ少な過ぎてもダメという見解にやっと変わりましたが、低糖質食事法でカロリー制限が無い、むしろカロリーを稼がなくてはといって、手っ取り早く陸上のお肉を過剰に摂ってしまうことがあります。
そうなると、健康どころか、脳梗塞、心筋梗塞、高脂血症、動脈硬化など、血管系に悪影響を及ぼします。
結果として、水中の生き物(お魚など)のお肉で、不飽和脂肪酸もしっかり摂ることや、食物繊維をしっかり摂って腸内環境を整えることが大事です。
④ 食費がかかる
炭水化物の食品に比べ高いうえに多く食べないといけないので、若干食費がかさみます。
これだけです。(笑)
⑤ 体臭、口臭の悪化
結果悪い成分がカラダに再吸収され、体臭が臭くなったり、口臭が匂うようになったりします。便も黒く硬く粘土質になることがあります。
改善策として、食物繊維をしっかり摂ることと、水分を男性であれば約3リットル、女性は約2リットル以上しっかり摂ることです。
ですが、アメリカでは一気に10リットルほど水を飲んで、低ナトリウム血症になり亡くなった方もいるので、限度は考えましょう。
ちなみに、便の最良の色は黄土色でバナナ程度のものが出てくると良いそうです。
⑥ 筋肉量の減少
筋肉内には筋肉で使うエネルギーとして糖質が貯蔵されています。
その糖質がなくなると脂肪をエネルギーの代わりとして使うこともありますが、筋肉もタンパク質として分解します。
そうなると筋肉が徐々に減って、代謝が下がり太りやすいカラダになっていきます。
筋トレや運動をしながら減量を考えている方は、できれば糖質を摂りながらの減量をお勧めします。
何かを燃やすには必ず薪が必要です。
ある程度の薪がなければ、大きく炎を出し、代謝を最大限に引き出すことは難しくなります。
メリハリのある自信を持てるカラダになるには、糖質を制しましょう。
ここまでが簡単なメリットとデメリットです。
これ以外にももちろんたくさんありますが、割と人に説明する回数が多いものをピックアップしてみました。
私の理論は「AもいいけどBもいいよね」という理論なので、必ずこれが絶対というものは、ないと思っています。
試しながらマネしながら自分に合った方法を探すしかありません。
その過程を楽しみましょう。
0コメント